『ソウルトレーン』ジョン・コルトレーン

ワシが名盤として挙げるのは旧譜ばかりなんだけど、そうなると、何度も何度もリイシューされているものが多く、どのデータをアマゾンから引っ張ればよいのか分からなくなる。


じつはジャズを本当に好きになったのは、このCDをある人に借りたのがきっかけかもしれない。
「本当に」というのは、それまでもエバンスとか、ペパーとか聴いてはいたけど曲次第というところがあって。
そういう聴き方ではなく、演奏そのものに痺れてしまうようなジャズ的聴き方というものがあるのだというのを、このCDで実感したんじゃないか。


1曲目が圧巻である。この音圧でよくずっとパラリラパラリラ吹いてられるよなあ、と感心しながら聴き、そんな聴き方をしているうちに曲そのものもまた良い曲だと思えてきたりする。


じつは最初一回通して聴いたときは、全くピンとこなかったのだが、ある日いつもよりボリューム上げてこの1曲目を流しているうちに何かこれスゴクないかと思うようになった。
大抵のジャズ名盤紹介モノでは、コルトレーンというと、バラッドか至上の愛になってるのだが、バラッドはともかく至上の愛を挙げも逆効果な気がする。いきなり至上の愛から聴いてはまれる人は多くないだろう。
これとか『ジャイアントステップ』の方がずっとキャッチーな部分があり、コルトレーン入門として最適な一枚ではないだろうか。