『家族のごはん作り (2) 正しい冷凍方法・おいしい作りおき編』有元葉子

家族のごはん作り (2) 正しい冷凍方法・おいしい作りおき編

家族のごはん作り (2) 正しい冷凍方法・おいしい作りおき編

有元さんは、生き方というかスタイルも含めると、料理研究家としては一番のカリスマではないか、と思うのだがどうだろう。
この本を読むと、世間的にそう思われるのも当然かもしれない、と思ってしまう。
考え方もしっかりしているし、作り方にも無駄がない。
遊びというか余裕という意味では、物足りないのかもしれないけれど、そういうのは、まずはこの本で基本を叩き込んでからという事なのだろう。


まず、ごくシンプルな作りが好感もてる。
これだけ薄いとあまり役に立たないのではと、情報量を気にしてしまうような人はとくに考えてしまうだろう。
しかしこれらは基本であって、初心者はもちろん中級者だって、学ぶ事は多いはずで、ここからどう応用するかは読者に委ねられている。
例えば、ひとつのストックネタで、レシピは3つくらいしか載っていないが、他のレシピは自分でいくらでも応用できるだろ、という事なのである。


ほか、細かいところでは、料理の上手い人にはこだわりの強い人が多いから、有元さん特有ではないのかもしれないけれど、文章の歯切れの良い言い切りが少し目立つ。
「私は〜しません」
こういう言葉に思わず従ってしまうならば、立派な信者なんだろうけれど、私はまだそこまでは行っていない。
行っていないが、なかなか合理主義的な考えのもとに作られた良本である、とは思う。オススメかも。