『ブリリアント・コーナーズ』セロニアス・モンク

ブリリアント・コーナーズ

ブリリアント・コーナーズ

懐かしいな。
これを買ったのは大学1年生のころ。
というのは嘘だ。買っていない。当時西新宿にあった、黎紅堂という貸レコード屋で借りて録音したのだ。
ちなみにこの黎紅堂は大学生のベンチャー的企業で瞬く間に全国にチェーン店網を築き上げながら、本体はすぐに潰れたので有名だが、その名前が"レコード"をもじったモノだと今まで知らなかったよ!たしかに言われてみればそうだが、考えたこともなかった。
で借りてきたレコードが録音されたカセットテープを、幾度の引越にもめげずにずっと持っている。
JAZZ界では、セロニアスモンクというと異端のような扱いを受けている気配だが、彼の性格やメインストリームとの距離を考えると仕方ないのかもしれない。音楽的にもちょっと癖がある。
ただ、私の場合のモンクはといえば、私がJAZZに求めるものの典型なのだ。
オリジナリティ溢れる楽曲と、奇抜な、それでいてちょっと華のあるアレンジ。
JAZZを、「よく知られた曲を生楽器を中心に適度なアドリブを取り入れ心地よく演奏したもの」というふうに捉えるようなヒトは、モンクは聞かないほうがいいだろう。
ただし、そういうヒトが考えるようなJAZZは何も残さないかわりに、モンクは確実に何かを残す。具体的には私の場合メロディーが確実に残る。ヘンな曲と思っているうちに、いつのまにか、すごく格好よく思えてくるのだ。
つまりは素人というか、音楽的素養に乏しい人ほどモンクはピッタリなのではないか。モンクは玄人向けというイメージも誤りだ。
耳に残る音楽を聴きたい人は買うべし。