『GOSHIMA 4』五島良子

GOSHIMA 4

GOSHIMA 4

もうほぼ引退状態とはいえ驚いたが、"脚長椅子とハイヒール "で検索すると、16件しか出ない。
そうなのか。
日本人女性ボーカルの楽曲としては最高峰に位置するこの曲が、たったこれだけしかネットに記載がないのか。
五島良子は、当時のCDの帯に「天才」という言葉があったように記憶しているが、にもかかわらずあまりブレイクせずに、レコード会社が変わるタイミングで大胆な路線変更。大胆というよりは、以前の活動を否定しかねないような歌詞内容もあって、残念というか、かなりファンを振り落としてしまったのではないか。今思えば逆効果という。
それでも路線変更後の内容が有無を言わせぬものであれば良かったのだが、R&B寄りといわれたその内容も、楽曲のポップ度でいえばイマイチかイマニだった。路線変更じたいは1996年末であって、その翌年にMISIAが大ブレイクしているのだから、正しかったのだが、ミーシャにしてもアメリカで大ブレイクしたモニカなんかにしても、楽曲なんだよね。
で、このアルバムに話を戻すが、統一感があって、ほぼ全ての曲が素晴らしいと思わせるような効果を出している。
五島良子のファンサイトでも路線変更後の作品に交じって上位に来ているアルバムだけのことはある。
ただ歌詞の素晴らしさなど考えると、やはり「脚長椅子とハイヒール 」という事になるだろう、このアルバムの存在価値は。
その叙景的な歌詞は、倦怠という自己否定と、それもまたいいじゃないかという微妙な肯定の狭間をじつに上手く表現している。中古のワゴンセールかなんかで見かけたらどうせたいした金額ではないんでしょうから、ぜひ買ってあげてください。